不況日本において、その影響をさほど受けていないと言われるのが金融業界…とりわけ、大手の銀行である。世界規模で見れば、欧州債務危機や、自己資本規制である“バーゼルⅢ”といった、一見すると「日本の銀行も大きな影響を受けるのでは?」と思われる出来事が起きているが、日本の銀行にとってはさほど大きな負担ではない。それどころか、チャンスとさえ言える状況にある。
実際、欧州債務危機の影響を被った欧米の銀行に比べると、日本の大手銀行の最終利益は高い水準にある。
ただし、その高水準な最終利益は国債の売買によって生じた利益に過ぎず、本業の業務利益自体はわずかながら減少となっている。このように、国債の運用益だけでは心もとないため、メガバンク各行は自らの活路を海外に求めているようだ。
欧州債務危機が収束に向かえば、進出先の銀行に対するM&Aも進むだろう。