景況停滞中の日本。一番の問題は、やはり円高である。2012年の為替が1ドル80円前後であるのに対し、リーマン・ショック以前の2007年中ごろは1ドル120円台であった。
5年間でおよそ3割も円高が進んだということは、日本からの輸出品が3割も高くなった、ということを意味する。輸出を行う企業にとっては大打撃である。しかも、この円高は長期化する一方だ。
アメリカの金利低下が進んだことでドルが売られる、日本のデフレ状態によって円の価値が上昇する、といった理由で積極的に円が買われるため、なかなか円安方向に進まないのである。
最近、日本の景況は改善傾向にあると言われている。デフレ脱却の兆しが見え始め、欧州債務危機も次第に収束しつつあるからだ。
また、復興需要が生まれている業種や、エコカー・輸出車の生産で業績を伸ばしつつある自動車関連の業種において、雇用が増えていることも、景気改善につながる明るい話題と言えるだろう。